●特約について●
生命保険会社との契約は、主体となる契約内容(「主契約」といいます。)と「特約」の2つの部分に区別されます。「特約」とは言うものの、何も「特別な契約」というわけではありません。契約内容をさらに充実させ、人それぞれのニーズに適したものにするための単なる「付け加え」だと考えてもらって結構です。実際、主契約と特約の境界線がはっきりしない生命保険が、大部分を占めているのが現実です。その上、特約は主契約以上に多種多様、複雑であり、しかも同一の名称でも保険会社によって内容が違う場合も多いのです。ですから特約は、生命保険を複雑で取っつきにくいものにしている要因の1つとも言えますが、だからこそ特約についての正しい理解が必要であると言えましょう。
●特約の仕組み●
特約はあくまでも主契約の「付け加え」ですから、主契約なしに特約だけの単体で生命保険会社と契約することはできません。また、主契約を解約すると自動的に特約も解約されることになります。しかし、先ほど説明したとおり主契約と特約の区別があいまいな生命保険がほとんどなので、例えばある人がAという内容の主契約にBという内容の特約を付けて契約する一方で、別のある人がBという内容の主契約にAという内容の特約を付けて保険会社と契約する、ということもあり得ます。両社の契約内容は見かけの上では全く同じですが、大きな相違点があります。前者の場合、主契約であるAを残したまま、特約であるBを解約することはできますが、Bのみを残す、ということはできません。しかし後者についてはこれがまったく逆である、というわけです。
●特約の種類●
さて、特約には実際にどのような種類があるのでしょうか。
先ほど説明したとおり、あらゆるニーズに応えるために多種多様な特約があり、さらにそれが主契約と組み合わさって複雑なシステムになっています。ですからここでは特約の大まかな種別を見ていくことにしましょう。
●病気に備える特約 ●
けがや病気などで入院せざるを得なくなったときや、手術を受ける必要があるときに給付金を受け取ることができるものです。入院した日数または月数に応じて支払われる場合や、特定の病気にかかったときに給付金が支払われる場合があります。例えば近頃ではガンや脳卒中など、生命の危険が極めて高い病気にかかったときに手厚い保障を受けられる保険が多くあります。他にも、子宮や乳房の病気など、女性特有の病気に対して給付金が支払われるものや、入れ歯の装着に際して支払われるものなど、種類は様々です。
●災害・事故に備える特約●
不慮の事故や災害などのために死亡した場合に、本来支払われる死亡の際の給付金よりも大きな額を受け取ることができるようにするものです。また事故や災害などのために身体が不自由になってしまい、介護を必要とすると判断された場合にも給付金が支払われるものもあります。
●リビングニーズ特約 ●
比較的新しいタイプの特約で、例えば医師から「余命残り半年」などと診断された場合に、本来死亡後に受け取るはずの保険金の一部または全部を生前のうちに受け取ることができるものです。限られた残りの人生を有効に使いたいという、顧客の新しいニーズに応えるための特約であると言えます。リビングニーズ特約を付加する場合、この特約に対しての保険料はかかりません。